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病院に医者を集める方法

このところ医療崩壊の現実がやっと一般の人にも少しずつ伝わって来ているように感じる。(とは言っても身近に感じているのはごく一部の人だけだが...)根本的原因を理解してもらえている人はもっともっと少ない...

医療従事者の間では医療訴訟が増えてきた頃(少なくとも4-5年前?)からこのままではやばいという感覚があったように思う.大半の医療従事者は給料に文句言っている訳ではなく,労働環境に対してである.特に献身的に働いているのに,訴訟に曝される不合理である.36時間労働をして懸命に働いて,労働環境は問題にされず,起こったミスのみ取りだたされる.どこかで事故を起こしたバスの運転手さんの場合は,居眠り運転の原因を労働環境が問題だと議論されるのに,医療訴訟の場合はそこまでの議論はされてないようである.
このままではアメリカのように,医者をやっている方が割に合わないと感じて医者を辞めてしまう人が多くなるのではないだろうか...テキサス州かどこかでは州法で医療訴訟を起こせなくして,医者が増えたそうである.
日本でも多くの病院で医師が集まらなくて困っているが,医師個人の医療訴訟の免責・費用免除などを保証すれば少しは集まるのではないかと感じる.
どこかの自治体で試しにやってくれるところに期待...5000万出して医者を雇うよりはコストも効果も効率的と思うが...
それでも根本的な病院の収益環境改善,国民の意識改善・自主健康管理能力改善がなければ崩壊は避けられないが...
要は,高級ホテルに泊まるぐらいのコスト体系(現在は医療保険で無理やり上限を抑えている)に変わり,「念のため入院して様子を見てもらおう」・「市販の風邪薬の変わりに病院に行って薬をもらう」みたいな病院の利用の仕方を辞めることも必要である.
食事つきでホテルより安い値段で入院できて,市販薬買うより安く医療用薬剤が買える環境が当然と思ってはいけない.
# 病院の設備投資はホテルより高い,そこに働いている人は特殊な訓練を受けた人・高等教育を受けた人etcと質・人数共にホテルよりレベルが高い.なのに費用は抑えられている.市場原理を考えたらどうやってもやっていけない...お偉いさん,みんな気付いてよ

思いつくままに愚痴を書いてしまった...:-)

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コメント

K先生こんにちは.お久しぶりです.

日本では安くて質の高い医療が受けられている事を実感している人は,確かに少ないですね.

最近体調を崩して私自身の勤務地でもある某私立大学病院に入院してました.
私には30歳前後の担当医が2人付き,10日間程度の内科的治療を受け,幸いにも回復して無事退院できました.緊急入院だったためやむなく個室に入ったのですが,その個室料金を除けば入院費は10万程度.1日あたり1万程度ですね.入院保険のみで十分賄えました.高額な医療費がかかる患者も,多くても月10数万程度に設定された上限のため,アメリカの様に医療費のために破産する人はあまりいないでしょう.

ちなみに多くの私大では,専門医資格の有無に関わらず,30歳前後までの若手医師の過半数が無給です(多分私の主治医も??).過酷で膨大な業務をこなす多くの無給医師により大学病院の病棟は支えられています.無給医師は週に2日程度はアルバイトの必要があるため多忙に拍車がかかり,患者にとっても担当医が不在となるためリスクの高い状態となります.大学病院ですら,人件費を低く抑え,少ない在院日数で病床のフル回転し,高い個室料金を取らなくては,採算を維持できないのが現状です.激務に耐えきれず辞める看護師も後を絶たず,回転が速い(?!)ため現場には新人ばかり,という笑えない現実もあります.

こんなことはK先生始め,医療従事者にはよく知られた事実ですが,もっともっと議論されてもいいですよね.抑制すべき医療費もありますが,質の高い医療が健全に行なわれるためには必要なところに堂々と税金が使われるべきです.
医療崩壊がこれ以上進めば,医療機関と患者が傷つけあうだけなので.

思いつくまま書いたら長くなっちゃいました.また時々訪問させて下さい.

投稿: ダイダイ | 2007年10月20日 (土) 12時26分

>ダイダイさん

ご無沙汰しています.この年齢で10日も入院が必要ということは結構な大病だったって推測しますが大丈夫ですか? 健康あっての人生ですからね..:-)

ダイダイさんの言われるように戦略的に税金を投入することが私も必要だと思います.日本の財政の状態を考えると闇雲に税金を投入すれば良い訳ではないのも当然です.ただ現在の状態のまま,税金を入れても日本の破産の時期が早まるだけですもんね.日本の医療技術向上・グローバルに立ち向かえる製薬産業の育成・医療費の伸びを抑制を兼ねた方法を夢見ながら仕事しています.この業界は臨床とはまた違うdynamicsでいろんなヒントがあります.:-)
支離滅裂で結局業界への勧誘みたい(?)になりましたが,この辺で..

投稿: 夢見るK | 2007年10月21日 (日) 02時43分

返信ありがとうございます.2週間ほど熱が下がらず,食事も入らず苦労しました.多分ウイルス感染だったんだと思うのですが,結局確定はしてません.すっかり良くなったのでご心配なく.

先生はよく医療崩壊を話題にされてますが,医師として働いていると本当に身に迫ってきた感じがします.多くの日本の医師は労働時間や責任の重さの対価としてははるかに安い給料であっても,患者のためによろこんで働く種類の人間だと思います.この過酷な現場の状態でアメリカ型の訴訟社会に突き進むと,医療者の善意を前提とした医療が崩れてしまう.先生の提案をどっかの自治体が採用してくれるのを待つしかなくなるかも知れないですね.
医療政策に翻弄されながらも,先生のように先を見据えて頑張っていきたいと思います.また色々教えてください.

投稿: ダイダイ | 2007年10月21日 (日) 09時49分

> ダイダイさん

健康問題はよくなったんですね.よかったよかった.:-)

互いに人生楽しみながら正しいと思う道を進みましょう! 私の方は頑張ってこの世界を学ばせてもらってなんとか実績を残していきたいです.そうすると発言力・影響力が出て,夢に少し近づけますので..:-)

Think positive, keep going!

投稿: 夢見るK | 2007年10月21日 (日) 22時37分

海外にいると、日本人は本当に恵まれていると思う。
中国でも、家族の一人が病気になるだけでも、一家破産に危機に追い込まれるケースが少なくない。日本で、10数万円の入院費を払っただけで、高い支払いだと勘違いしている連中が少なくない。全く、日本人は貧乏なのか、金持ちなのか、わからなくなる時がある。
強いて言うなら、貧乏根性ってとこですかな。
足るを知らない人間は、本当に幸せな連中ですな!

投稿: jacky | 2007年11月22日 (木) 05時07分

> Jackyさん

物質的な欲求が満たされて,平和ボケしてしまい,人間は老衰でしか死なないと皆思っているようです.
動物の世界を見れば,一定頻度で流産・死産があり,又,病気が発生し死んでいく.こんな自然界では,至極当然なことが人間の場合は,お金もかけずに維持できると思い込んでいる.
「お金がかからずに救急車を呼んで24時間いつでも病院を受診できるのは国民の当然の権利だ」,この意識がかわらない限り,日本の医療崩壊は避けられないですよね.医療崩壊が進んで,国民のこの意識が変わったときが医療が再生するチャンスだと思っています.後は,どこまで医療が崩壊したときに,皆が気づけるかですが・・・

投稿: 夢見るK | 2007年11月24日 (土) 04時17分

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